美味しい卵をつくるために

健康な平飼い鶏の有精卵味の決め手は自家製飼料の配合

札幌市街から車で約30分。緑豊かな自然に囲まれた立地に、平飼い養鶏による有精卵の生産に取り組む永光農園があります。道路沿いに建つのが、卵とスイーツ の販売ショップ「コッコテラス」と「たまごの自販機」で、その裏手が鶏舎。耳を澄ますと、元気な鶏たちの鳴き声が、かすかに聞こえてきます。代表取締役の 永光洋明さんは、札幌の農家の5代目として生まれました。先代までは野菜栽培が中心で、養鶏に取り組んだのは洋明さんが初めて。「20代で読んだ『自然卵 養鶏法』という本に、平飼い養鶏の方法や、循環農業による自給自足の生活などについて書かれていて。“生き方としての農業”に共感しました」。研修を経 て、1998年に100羽から養鶏をスタート。以来、自家製飼料の配合に試行錯誤し、ほぼ完成形と思えるまでに約10年を費やしました。「最近でも新しい 素材を足してみたりするので、今後も変化していくと思います」。配合する十数種類の餌の中でも、永光さんが味を左右すると思っている成分が「動物性タンパ ク質」。これが卵の甘みや旨みにつながるそうで、現在は3千羽、日に2500個の卵を出荷しています。


「北海道らしさ」を大切に卵を使った新商品の開発を
2009年、百貨店の催事に初出店した自家製シフォンケーキが評判を呼び、自社産卵を使ったプリンやカステラなどの洋菓子メニューが少しずつ増えて、昨春、販売ショップ「コッコテラス」をオープンしました。今年の新メニューは、卵黄を加えた「たまごソフト」300円。アイスクリームの製法で作る、なめらかでコクのあるソフトクリームです。「お菓子のレシピを作る際に、足したり引いたりしながら材料の配合を考えるのは、飼料と同じ。自分の中では養鶏もお菓子作りもつながっているんですよ。今後も“北海道らしさ”を大切に、卵を生かした商品開発を心がけていきたいと思っています」。


Ⓐ 代表の永光洋明さん  Ⓑ24時間営業の卵の自動販売機  Ⓒ平飼いで生産された有精卵  Ⓓ毎日新鮮な卵を産んでくれる鶏たち  Ⓔ新鮮な卵を使った評判の自家製シフォンケーキ  Ⓕ明るく開放的なコッコテラスの店内  Ⓖ新メニュ-の卵黄を加えたたまごソフト

 

■ コッコテラス
Tel.011・886・7204 営業時間/販売10:00~17:00 無休(年末年始を除く)
カフェのみ/平日11:00~15:00営業 カフェ定休日/土・日・祝日 ※商品は売切れの場合有。
土・日・祝はカフェスペースをソフトクリームなどのイートインスペースとして開放

 

 

■ 永光農園
Tel.011・886・6595
札幌市清田区有明216
http://nagamitsufarm.com/

 

 

■ たまごの自販機
24時間営業
※売切れ次第終了